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初心者ガイド: テンポを理解しよう


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 今回は、情報サイト ”Hearthstone Players” で特集されていた 「デッキ構築理論:テンポ編」 という記事を紹介したいと思います。Hearthstoneのストリーム配信を観ていると ”バリュー” と同じくらいこの ”テンポ” いう言葉をよく耳にします。自分の中では 「盤面のミニオン数」 を指しているのではないかなと勝手に思っていましたが、そんな単純なものではなかったようです。テンポというのはどういう概念なのでしょうか。


このガイドを読むにあたり、”カードアドバンテージ”、”マナ効率”などの要素を把握しているとより理解が深まると思います。当ブログの和訳記事だと 「初心者ガイド:カードアドバンテージとは何か」「初心者ガイド: 効率よいプレイとは?」 あたりが該当するでしょうか。お時間あればそちらから是非。



注意 : 元記事は2014年7月1日のものですが、既に環境が変化し、現況に沿わない内容があるかもしれません。基本的な考えを把握できれば、という趣旨で和訳しております。ご了承ください。





 Introduction (導入)


 qes01.png  この記事では Hearthstoneにおける ”テンポ” というものについて解説します。テンポというものをより良く理解するために、まずその言葉が何を意味するのかハッキリとさせておきましょう。


”テンポ” というのは、Hearthstoneプレイヤーがよく用いる単語の一つです。非常に便利な言葉なのですが、その反面複数の要素を含むため各人で若干のズレが生じ、共通の意味で用いられていない場合もあるといった状態です。そこでこの記事を書き始めるにあたり、筆者である私が ”テンポ” という言葉ををどのように定義しているか説明しておきます。



 私はテンポというものを 「盤面の有利さ」 であると認識しています。これをお読みの方は、「じゃあハースストーンにおける盤面の有利さって何?」と不思議に思うことでしょう。確かにまだ分かりにくいかもしれませんね。極端な言い方をすると、この ”有利さ” というのはハースストーンというゲームのほぼ全ての要素を含んでいます。マナ、カード、残りライフも全てこれに関わっているため 「何かアクションするということ」「テンポ」 は切っても切れない関係にあるといえます。それ故に各人の使うテンポの意味がズレやすいというわけです。ではどのようにそんな複雑な概念を理解すればよいでしょう。1つの方法として ”観点を絞る” というものがあります。



 盤面の発展度(development)というのは、リソースをある形に変換する過程を意味します。あなたを勝利に近づけるようなアクション全てが純粋にテンポであるといえるのはそのためです。しかし、この記事においてはそんな中でも特に ”ダメージ” という観点から説明していくつもりです


「ハースストーンにおけるテンポ」 はこの考え方で全て説明できるわけではありませんが、ダメージという方向性からテンポを一度理解することが出来れば、その後複雑な要素を交えてより深い理解へ辿り着けることでしょう。さて、テンポというのがどういったものかある程度理解していただいたところで、本題に戻りましょう。






 Relativity (比較が大事)



 テンポというのは 相手と比較して評価するモノ です。あるプレイヤーのテンポを考えるとき、対戦相手の目線からもそれを捉えなければなりません。このような理由から、テンポというのは 「相手に比べテンポを得た」、「相手に比べテンポを失った」 という表現がなされることになります。


 これを先程の話に結びつけると、「あなたの発展度が対戦相手を上回った」、「あなたの発展度が対戦相手を下回った」と言い換えられますよね。更にこの記事ではダメージに注目するため、試合を レースのようなイメージ で捉えるとよいかもしれません。

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 双方のプレイヤーが、体力30点というスタートラインにいるとします。レースに勝つのは相手の体力をより早く削り、ゼロにさせたプレイヤーです。このレースをより分かりやすくするため、「Jaina」 と 「Thrall」 という2人のプレイヤーに登場してもらいましょう。

 仮に 「Thrall 」 が毎ターン5点のダメージを与えてくるのなら、「Jaina」 がそれに勝つには毎ターン6点以上のダメージを与えればよいことになります。単純な例ですがテンポというのは ”相手に対する有利さ” だと言っていた意味が少しお分かりいただけたでしょうか。


試合に勝つには、相手より長い時間テンポをリードすればよいことになります。この ”相手より” という部分が重要なのです。






 The System (テンポの仕組み)



 大半のプレイヤーがテンポについて考える際の問題点は、その言葉をしっかりとイメージさせる(根付かせる)ような具体的な土台がないという部分にありそうです。テンポをしっかりと理解するためには客観的な概念を用いる必要があり、「なんとなくこんな意味だろう」といった雰囲気的な理解を捨てることが求められます。私の解決策は、ここで”数字” という便利なものを活用しようというものです。


シンプルで直感的な数学的表現はこういった説明に役立ちます。もちろんより複雑で詳細な仕組みを用いて説明するやり方もあるでしょうが、この段階では相応しくないでしょう。ではここで簡単な数字を用いた例を見てみてましょう。再び「Jaina」 と 「Thrall 」の両名に登場してもらいます。




Example (具体例1)


 試合が始まって1ターン目、「Jaina」 は先手で 「Murloc Raider」 をプレイします。続いて「Thrall」のターンですが、彼は何もプレイしないという選択をしました。両者がターンを終えたので、1サイクル回ったことになりますね。さてここでこのターンにおけるテンポを評価してみましょう


Jainaは盤面にミニオンを設置したのに対し、Thrallは何も行えませんでした。この時点でJainaは明らかに発展度でリードしたことになるため、これを +1のテンポを得ている と表現することにします。



 続いて2ターン目、Jainaは 「Bloodfen Raptor」 をプレイしターンを終えました。Thrallは遅れを取るまいと 「River Crocolisk」 をプレイしターンエンド。このサイクル終了後、Jainaは盤面に2体のミニオンがいるのに対し、Thrallは1体です。私の評価システムでは、この状態をJainaが +1のテンポを得ている と表現します。先程のターンと変化していないのは、このターンの互いの進展が同等であるためです。

もし仮にThrallが2ターン目もミニオンをプレイしなかったとすると、Jainaは +2のテンポを得ている ということになります。

 BloodfenRaptor.pngRiverCrocolisk.png





     これはシンプルな説明であるため、他の重要な要素を考慮していないという部分はあります。しかし、テンポというものを理解する最初の段階では非常に有用だと思います。


    さて、ここで一つの疑問が出てきます。どんなミニオンをプレイした時にも同様に +1のテンポを得る という結果になるのでしょうか。通常試合が進むにつれて使用するマナが増加し、より強力なミニオンが盤面に登場することになります。こうなってくると使用されたマナコストに合わせてこの脅威の度合いを再評価する必要がありそうです。


    また同じミニオンでも条件により重要度が異なります。例えば先程登場した 「Murloc Raider」 に関して。1ターン目にプレイされる場合と、8ターン目にプレイされる場合では脅威の度合いが明らかに違っています。数的な意味ではどちらも +1のテンポ になりますが、前者が ”より価値を持つ” のは明らかです。この2つをしっかり区別するには何らかの追加要素が必要になりますね。


    これに関しては次の話題である ”主導権(イニシアティブ)” の項でも触れますので、そちらに任せることにしましょう。ここではひとまずこの違和感に気付いてもらえれば十分です。







     Initiative (主導権)



     テンポというものが本当に役立つかどうか考える前に、もう一つ定義しておかなければならない要素があります。それは ”Initiative (主導権)” というものです。主導権は他のカードゲームでよく使用される単語であり、このハースストーンも例外ではありません。「何らかの対応を相手に要求する脅威を持っていること」を ”主導権がある” と表現します。


    定義から分かるように、この主導権という要素も相手との比較が重要になります。これは ”脅威となるだろうもの” を持っていたとしても、相手がそれを脅威と思わなければ意味が無いという事実に由来します。”何らかの対応を要求する” というのがポイントですね。この要素があって初めてプレイヤーは主導権を得ることができます。


    ではここで理解を深めるために2つの例を挙げてみましょう。どちらの場合も Thrall が空っぽの盤面に 「Bloodfen Raptor」 をプレイし、Jainaが手札に 「Frostbolt」 を持っているという設定になります。




    Example (具体例2)


    • その1: ここでは試合序盤、2ターン目でどちらの体力も30点だと想定してみましょう。Thrall はミニオンという脅威を盤面にプレイ出来ているため +1のテンポ を得ています。もしこのまま何も起きなければ、3点ダメージ × 10ターン=30点で相手を倒すことになるでしょう。序盤には十分なプレッシャーであり、相手は何らかの対応を強いられるためThrallは主導権を持つと言えますよね。これを ”10ターンクロック” と表現することもあります。


    • その2: ここでは10ターン目、Jainaの体力は30点ありますが Thrall の体力は3点しかないといった極端な状況を思い描いてください。Thrallがプレイした 「Bloodfen Raptor」 は、この状況では Jaina にとって何ら脅威にはなり得ません。残り体力を考慮すると、Jaina は この脅威に対応する必要が無い ことになります。そのため同じミニオンをプレイしたにも関わらず主導権は得られないのです。出されたミニオンを無視して Frostbolt をヒーローにプレイし試合を終わらせることでしょう。



    どちらの場合でも、「Bloodfen Raptor」 が Thrall のテンポを+1 増加させたのは間違いありません。しかしテンポを得ることが直接主導権を得ることにつながる訳ではないという良い例です。では、主導権を得ることでどのようなメリットが得られるのでしょうか


    主導権を持つメリットは大きく2つあり、どちらも ”選択肢” に関係しています。主導権を持つということはより多くの選択肢を握っていること、そして逆に対戦相手は選択肢を失っているということを意味します。この選択肢という考え方がどう働くのかというのを、例を挙げて見てみましょう。





    主導権を持つ利点


    • より多くの選択肢が得られる: Hearthstoneは攻撃側が有利な仕組みになっています。どれを攻撃対象にするのかという ”選択肢” を得られるのは大きなポイントです。更にはシークレットの兼ね合いから何も攻撃したくない、という状況もあり得ます。どの行動が自分に最も有益なのかを選べる、これは主導権を持つ者の特権と言ってもよいでしょう。


    • 相手の選択肢が減る: テンポを失ったプレイヤーは盤面の自由が奪われ、自然とプレイの選択肢が減ることになります。極端な例を見ることでより理解が深まると思いますので、一つ挙げてみましょう。


     Thrall の体力が3点であるという状況です。相手のJaina が 「Bloodfen Raptor」 をプレイしたとしましょう。Thrall はどうにかしてこの脅威に対処しない限り試合に負けてしまうことになります。この脅威が無ければ他のプレイができたかもしれません。そう考えると、Jainaの持っていたテンポリードがThrallの選択肢を制限したと言えます。


    上の例は幾分極端かもしれませんが、テンポリードがいかに相手の選択肢を制限するのかというのがお分かりいただけたかと思います。







     Getting a Tempo Lead (テンポでリードするには)



     さてここまで、テンポでリードすることがどれほど大切かということを説明してきました。しかし一つ重要な事が抜けています。そうです、どうすればテンポでリードすることができるのか という問題です。




    その1: Efficient Threat (効率的に脅威を与える)


     早速ですが例を挙げてみましょう。「Murloc Raider」 と 「Bloodfen Raptor」 が衝突し、両者ともに倒れたという場面があったとします。盤面における数の変化という意味ではどちらの陣営も-1なのですが、総合的なテンポという観点からこれを評価した場合違った見方になります。


    Murloc Raider」 はたったの1マナでプレイできるのに対し、「Bloodfen Raptor」 は2マナもリソースを割いているという点が重要です。同様の考えをこの記事の前半に挙げた例にも当てはめてみましょう。


    • Thrall は先行で1ターン目に何もプレイしませんでした。Jaina は後攻の1ターン目に 「Murloc Raider」 をプレイ。この時点で Jaina が +1 のテンポを得ているというのは前に説明したので問題ないでしょう。

      続く2ターン目、Thrall は 「Bloodfen Raptor」 をプレイし、返すターンでJaina は 「Murloc Raider」 で 「Bloodfen Raptor」 を倒しに行きます。

      さてここが大事なポイントになります。盤面が片付いた段階で、Jainaにはまだ2マナが残されています。この事実は、Jainaがテンポを活かして効率良く脅威を対処できたおかげでマナに余裕が生まれたことを意味します。このマナを有効に使うカードを持っていたならば、さらにテンポリードを得ることができるでしょう。



    この例から、ミニオン数という観点から見た ”トレード” とテンポという観点から見たそれが必ずしも一致しないことが分かるでしょう。トレードでは残りマナについては考えませんが、テンポではそれを考慮する必要があるのです。


    また処理に困るような特殊なミニオンはテンポリードにつながりやすいということは、このゲームをある程度プレイされている方なら分かるでしょう。

    Argent Squire」 や 「Harvest Golem」 といったカードがこれに該当します。よほど特別な手立てを持たない限り、これらを処理するためには複数のアクションを必要とするため、テンポリードを得やすい訳です。相手より少ないマナでより多くの脅威を与える、これは非常に重要な考え方です。

     ArgentSquire.pngHarvestGolem.png







    その2: Cheap Answers (安価な処理を行う)



     テンポリードを得るもう一つの方法は、低いマナコストで相手の脅威に対応するというものです。これは当たり前といえばそれまでなのですが、この ”低いマナコスト” というのも相対的な尺度になりますね。


     注意点として、同じカードでも状況によって安価であるかどうかの評価が変わるというものがあります。

    Frostbolt」 を例に挙げてみましょう。これで4マナの 「Windspeaker」 を処理できたなら安価な処理を行えたことになりますね。しかし同じスペルで1マナの 「Voidwalker」 を処理した場合は言わずもがなです。

    この例から分かるように、”相手が脅威を与えるのに使用したマナよりも低いコストでそれを処理した場合” テンポが得られることになります。

     Windspeaker.pngVoidwalker.png



    ただし、これが全て私の基準でいうところの +1 のテンポと同等であるかどうかはまた別問題です。これを理解するために再び例を挙げてみましょう。



    • ここでは4ターン目で、盤面にはどちらのミニオンも存在していない状況を思い描いてください。ターン開始時点ではどちらのテンポもゼロと言えます。Thrall が先に4マナ全てを投じて 「Windspeaker」 をプレイしました。返すターンにJaina は2マナを消費して 「Frostbolt」 をプレイし相手ミニオンに対処。他には何もプレイせずにターンを終えたとしましょう。この場合、1サイクル終了時のテンポは相変わらずゼロのままになります。


     さて、これは今までの話に矛盾することに気がついたでしょうか。というのも、Jainaはより低いマナコストで相手の脅威に対処したにも関わらずテンポを得られていないのです。この事実は我々に一つ重要な事を教えてくれます。それは低いマナコストで相手の脅威を処理して得られた余剰マナを使い、テンポを得られるアクションを起こさねば何ら意味が無いということです。もしJainaがこの時に2マナを消費して何らかのミニオンをプレイしていたのなら +1 のテンポを得たとハッキリ言うことができます。






    その3: Mass Removal (範囲除去を用いる)



     テンポリードを得る3つ目の方法は、範囲除去スペルを用いるというものです。あなたの不利な状況を覆してくれるかもしれません。2体以上の脅威に対する回答として適切で、特にアリーナではこれで助けられたもしくは手酷くやられたという経験をしたプレイヤーが多いことでしょう。


    メイジ相手にかなりテンポリードを保っていたところへ 「Flamestrike」 がプレイされる状況を考えてみてください。盤面がリセットされる可能性が高く、相手にかなりのチャンスを与えることになるでしょう。効果の差はあれ、こういった範囲除去スペルはどのクラスにも用意されています。

     Flamestrike.png 






    その4: Acceleration (加速によるテンポ)


     ハースストーンには、特殊な性能でテンポをブーストすることができるカードが幾つか存在します。それらはリソースの一つである ”カード” を ”マナ(もしくはコスト低減)” に変換するという性質を持っています。「Innervate」 や 「Wild Growth」 、「The Coin」 、「Preparation」 がこれに該当します。こういったカードから生まれたマナをテンポに変換することで大きなアドバンテージが得られるでしょう。こういったカードはとても強力で、概ね評価が高いです。


    innervate.png WildGrowth.png TheCoin.png Preparation.png






    <引用元 : http://hearthstoneplayers.com/blackacres-deck-building-theory-part-iii-tempo-core-archetypes/ >




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