Hearthstone Zooウォーロックの今昔
安くて強いデッキ、それがZoo
|  | | | 流行りの強いデッキがあると聞いて情報ページを見てみると、レジェンダリカードや自分の持っていないモノが何枚も含まれており、構築する事が出来ないという思いをしたことは誰しもあるでしょう。
安くて強いデッキの代表格として、Zooウォーロックが挙げられます。以前ブログでも、「初心者向けデッキ: Void Gang Boss Zoo」としてその1タイプを紹介しましたが、コンボ要素もあり人にオススメしやすいデッキだと思います。
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本記事では、そんな
Zooの成り立ちからこれまでの変遷 を簡単にまとめてくた特集を扱っています。これを読めば、あなたもZoo博士になれるかもしれません。
注意 : 元記事は2015年7月10日のものですが、既に環境が変化し、現況に沿わない内容があるかもしれません。基本的な考えを把握できれば、という趣旨で和訳しております。ご了承ください。
THE ORIGINS OF ZOO
Zooウォーロックの誕生
Zooウォーロックは、
安くて強いデッキとして長らくプレイされ続けています。そもそも
’Curi’ というプレイヤーが使用していた盤面コントロール重視のウォーロックが原型となっているようです。これまで何度も変化をしつつその形が受け継がれてきています。
アジアサーバーで先に見受けられたという話もありますが、有名プレイヤーである
’Reynad’ は、その盤面重視型ウォーロックデッキに「
Doomguard」を採用し活躍したことで知られています。
このデッキタイプに
Zooという名称を付けたのもReynadでした。彼は元々M:TG(Magic: the Gathering)のプレイヤーであり、このウォーロックデッキがM:TGのZooというデッキタイプを連想させたのでしょう。
以下に示すのが、Reynadが当時使用していたデッキになります。
ReynadのZooデッキ
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Warlock (10)
Neutral (20)
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Zooウォーロックの特徴
幾度となく改編を受けつつも、Zooはその特徴をしっかりと引き継いでいます。洗練されたマナカーブ、盤面維持とアグロの両面を併せ持つスタイル、ヒーローパワーを活用したドローが大きなポイントです。
カード構成から、一見序盤に相手を攻めるアグロ傾向の強いデッキに思えるかもしれませんが、Zooをプレイする際に最も重要となるのは、
’ボードコントロール’になります。この
「Zooは盤面制圧が重要だ」 という表現は当時から何度も繰り返し言われていることでした。
ただこれはZooの特徴を正確に捉えているものの、表現としてはややキツすぎる感があり、デッキの真の特性を誤解させる原因にもなっていたのではないかと思います。さて、誤解させるとは一体どういう意味なのか説明してみましょう。
BOARD CONTROL OR AGGRO?(盤面コントロール、それともアグロ?)
フェイスハンターの例
このアグロ/コントロール論争はある意味些細な事で、ここで長々と語ろうとは思いません。ただし、デッキの性質を定義する際に
「いつトレード(ミニオンの交換)をしかけ、いつアグレッシブに攻めるのか」 という点は大切なポイントだと思います。
|  | | | ここで分かりやすいように、フェイスハンターを例に挙げてみましょう。このゲームを代表する極端なアグレッシブデッキで、常に相手ヒーローを攻撃しているイメージがあると思います。
しかし、2-3ターン目にはヒーローを攻撃するよりも相手盤面にあるミニオンを攻撃する方が有利になることがあります。フェイスという名が付いているデッキでなぜこのようなコントロールプレイをする必要があるのでしょうか。答えは簡単です。
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トレードを行うことでこちらの盤面を最大限に活かすことができるなら、結果として
自ミニオンの殴り回数が増え、打点が上がるためです。これがアグロデッキにおいてもある程度はトレードが必要になる理由になります。
アグロかコントロールかというよりも、いかに効率良くダメージを与えるかという点で考えると、確かにコンセプトに合った行動選択であると感じていただけるのではないでしょうか。
Zooにおける考え方
この基準からすると、アグレッシブデッキというのは「
序盤のトレード段階を他デッキより早目に抜け出すデッキ」 と表現出来るのではないでしょうか。こちらから相手ミニオンを倒すのではなく、
「相手にこちらのミニオンを倒させる」 という言い方が適しているかもしれません。
フェイスハンターはこの切替が極端に早いデッキです。3ターン目まではトレードを行う機会がありますが、それ以後はほぼ相手顔面を叩くというのが一般的です。Zooはここまでとは言わないまでも、通常のミッドレンジデッキよりも早くトレード段階を抜けるタイプだと思います。
Reynad時代のZooウォーロックは、手札が空に近くなるまでトレードに徹し、最終的に「
Doomguard」をプレイするというスタイルです。「
Doomguard」が場に登場する頃には、残り数ターンで決着がつくというところまで相手を追い詰めているのが理想的です。
ヒーローパワーによるカードドローがこの戦術と噛み合っており、デッキリストを見て感じるよりも早い段階での勝利をもたらします。早ければ5ターン、少し伸びても8ターン目までに勝負を決めるという狙いであるため、このタイプのZooは
アグロデッキとして分類されます。
PEAK AND FALL FROM PROMINENCE(Zooの繁栄と凋落)
2014年後半の活躍
大方の予想に反し、Zooに大きく貢献したのは「
Undertaker」でした。2014年の後半には、Ladderの上位は大半がZooプレイヤーであったと言っても大げさではないという状況。11月のシーズン、トップの座をZooが何度も奪い返し、結果的にNAサーバーでレジェンド1位を獲得したことが更なる流行の切掛となったようです。
Goblins vs Gnomes のリリースと「
Soulfire」の弱体化(マナコストがゼロから1へ引き上げられる) を受けた直後は落ち着きを見せていたものの、有名プレイヤーである
’Xixo’ がNA、EU、アジアの3サーバーで同時にレジェンド1位を達成したことにより再びZoo人気が高まります。「
Imp-losion」もかなり活躍したカードではありますが、この段階では依然として「
Undertaker」がデッキの中核となっていました。
カード弱体化と対抗馬の出現
2015年1月、主力であった「
Undertaker」が弱体化(deathrattleミニオンをプレイする度に +1/+1 の強化を受けていたが、+1/+0 に変更)され、Zooは大打撃を受けることになりました。
この変更の影響が最も大きかったのはハンターだという見方もありますが、ハンターには「
Mad Scientist 」という強力なミニオンが残されており、「
Worgen Infiltrator」 + 「
Glaivezooka」のコンボも健在でした。
カード弱体化だけが問題ではありません。Zooは序盤のトレードによる盤面コントロールを得意としていましたが、
Mechメイジという強力なライバルが登場。当時のZooよりも序盤の動きが安定しており、あっという間にトレンドを奪われるという形になりました。
後編に続く
Zooがその後どのような変化を辿ったか
前編では、主にZooの特徴と2014年後半から2015年始めまでの流れを説明しました。
後編ではこのデッキ、そして環境がその後どのように変化していったのか説明していくつもりです。
<引用元 : A BRIEF HISTORY OF ZOO >
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